マルマメン工房の中力粉
マルマメン工房の中力粉
ガツンとくる小麦香ともっちり食感がおいしい
「僕が農業をできなくなったとしても、農地をそのまま自然に還せる、そんな農業をしたいのです」と話すマルマメン工房の増田泰博さん。究極のSDGsな農業を表す言葉かもしれません。
有機JAS認証を受けているだけでなく、外から持ち込んだものを使わないで完結できる農業を目指し、麦わらや大豆の皮などを土にすきこみ、動物性堆肥も使いません。
増田さんの農地がある鹿児島県霧島市は、寒暖差が大きく、冬の冷え込みも厳しい土地です。11〜12月に植え付けた小麦は、そんな霧島の寒さを経て、ひときわおいしく育つのです。
中力品種の「農林61号」は、小麦の横綱と呼ばれる香りの高さが特徴。そのおいしさは、ホットケーキを焼くと歴然です。生地が扱いやすく、もっちりとした焼き上がり。ふんわりとした小麦の香りがバターとの相性もバッチリで、まるでパンケーキ屋さんの味に仕上がります。もちもちが身上の、麺や肉まんを手づくりしたい人にもおすすめですよ。
マルマメン工房
マルマメン工房の本来の表記は「〇豆ン工房」。〇は漢字を入れると様々な豆の名前になったり、平和や輪を意味します。メンはmanやwoman、工房は何かを創る場。といわけで豆を通じていろんな人が繋がりを楽しめる場にしたい、という思いを込めた名称です。
代表の増田泰博さんは福岡県出身。鹿児島県霧島市で有機農業を手掛ける人との出会いが縁で、霧島市の山間にある霧島永水に2016年新規就農を果たします。寒暖差が大きい霧島の気候が穀物の栽培に適していることや、鹿児島には味噌を手づくりする人が多いのにその材料になる大豆や麦を作る人がほとんどいないことを知り、苦労を承知で有機栽培の大豆と麦の栽培を始めました。植物性肥料しか与えない自分なりの栽培方法を確立して有機JASを取得。「素材によって味が変わることを知ってほしい」と、自ら味噌や豆腐を作りマルシェで販売。味噌づくりなどのワークショップも積極的に開催し、今では多くのファンを獲得しています。